書籍の内容
春子。婆。昔ながらの屋台のおでん屋店主。
ただのおでん屋なのに、稲荷で手を打つと知らない世界に飛ばされるようになってしまった。
だが場所など関係ない。春子はいつも通りのしかめっ面でうまいおでんを客に食わすだけ。おでん屋だからだ。
赤ちょうちんの下で酒を飲みながら大根を食った客が、昆布を食った客が、たまごを食った客が、それぞれの人生に少しだけおでんの出汁を残して、顔を上げてそれぞれの未来に進む。
偏屈婆さんの舌打ちの音も高らかに、今日もおでんが異世界に飛ぶ。
おでん屋春子婆さんの偏屈異世界珍道中、始まりです。
作者からの一言
表紙に婆さんがいてすいません。
小説家になろう掲載分に、人物とエピソードを複数追加、巻末には『少年たちの夏休み』を追加しております。
おでん、爺、婆、少年たち若者たちの素晴らしいイラストが目に麗しく、箸休めも増えたいへん具沢山になりました。
寒くなる時期ですのでさあどうぞおでん。じゅわっとおでん。
すきっぱらの夜食に、寒い日のおともに、あなたの隣にはいおでん。いつだっておでん。振り向けばおでん。オールウェイズおでん。
酒をご用意のうえお読みいただけますと光栄です。よろしくお願いします。