書籍の内容
精霊が棲まう世界で、剣や魔法、気術を競い合うソルミナティ学園。
ノゾムは実力主義のこの学園で、「能力抑圧」――力がまったく向上しないアビリティを授かってしまった。その上、身に覚えのない中傷の噂によって幼馴染みや恋人も失い、周囲から蔑まされるようになってしまう。
それでもノゾムは、血の滲む努力を続け、体を苛め抜いてきた。なにも考えないですむように、逃げるように、ただひたすら体を鍛え続けてきた。
しかし能力は一向に上がる気配がなく、希望が見えない毎日に心身ともに疲れてきっていたある日。
ノゾムは、深い森の中で巨大な龍に遭遇する。
絶体絶命のその時、見えたのは体に巻きついた鎖。それをめいっぱい引きちぎったとき、今まで鬱積していた力のすべてが解放されて……!?
足りないのは、自信か、力か。――これは心の歩みを止めた少年が、もがきながら、立ち上がる物語。
作者からの一言
こちらは2011年から小説家になろうの方で掲載させていただいた小説を書籍化したものです。
鎖に囚われ、逃避した主人公が己の傷と過ちに気づき、傷つきながらも少しづつ乗り越えていく物語となっております。
書籍化の際にweb版を全て書き直し、修正、加筆しており、web版とはまた違う点もございますが、編集の方々の協力もあり、自信をもってお渡しできる作品に仕上がったかと思います。
もしよろしければ、ぜひ一度手に取ってみてください。
よろしくお願い致します。