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第55回2018.02.06

地味な令嬢が出会ったのは、悪女の亡霊。
冤罪で処刑された復讐を、誠実に手伝います。 エリスの聖杯

常磐

物語

6歳の頃、グレイル子爵令嬢のコニーは、
「しょけい」に興味を持ち、
広場の人だかりの最前列にいた。
コニーは広場に到着した馬車から降りてきた、
神々しく美しい少女に見惚れる。

その少女、スカーレット・カスティエルは、
殿下と婚約していたが、
嫉妬に狂って下級令嬢に嫌がらせをし、
暗殺を企てたとして、
婚約破棄された末、処刑される所だった。

その処刑を目の当たりにしたコニーは、
大きなショックを受けて絶叫した。


それから10年が経ち、
コニーに婚約の話が持ち上がる。

代々グレイル子爵家のモットーは『誠実』であり、
コニーの父親も誠実な当主だった。
しかし誠実すぎるが故、
友人の連帯保証人となり、
多額の借金を背負ってしまう。

出入り商人として懇意にしていた、
ブロンソン商会の代表ダミアン・ブロンソンは、
それを聞き、援助の手を差し伸べてきた。

三代続くブロンソン商会の経営は安定していたが、
新しい売り先となる貴族の伝手を欲したことで、
ダミアンの息子二ールが、
年齢も近いコニーと婚約する形となった。

しかしコニーは、
自分より魅力的で裕福なフランシス家のパメラと、
ニールの関係が噂になっていることを知る。


そんな中コニーは、
豪華絢爛な小宮殿グラン・メリル=アンでの舞踏会に参加する。

コニーとニールの婚約は周知されており、
挨拶回りも終わったコニーは、
休憩するために温室へと向かったところ、
庭園の茂みでニールとパメラが抱き合っているのを目撃する。

その事態にどう対応すべきか迷っていると、
目の前に1人の少女が姿を見せた。
コニーは、少女の容姿やドレスから、
高貴な身分の子だと考え、大広間へと招き入れる。

コニーも大広間へと戻り、ヤケ食いをしていると、
パメラの取り巻きであるブレンダの髪飾りが
取れそうになっていることに気づく。
髪飾りを外し、髪を直してあげたコニーは、
ブレンダから髪飾りを預かってもらうように頼まれる。

しばらくしてパメラが現れると、
コニーはブレンダの髪飾りを盗んだとして、
パメラに大衆の面前で言及される。
反論するコニーだったが、
言い負かされそうになり、心の中で助けを求める。

するとどこからか、
「助けてあげる」という少女の声が聞こえ、
同時にコニーは意識を失った。


コニーが目を覚ますと、目の前には、
グラン・メリル=アンで出会った少女がいた。
名前を聞くと、「スカーレット・カスティエル」と答えられたが、
スカーレットは10年前に処刑されたはずだとコニーは疑う。

しかし姿をよく確認すると、
彼女の身体が浮いていることに気づき、
コニーは彼女が亡霊だと理解した。

さらに、パメラに盗人扱いされそうだったところを、
コニーに成り代わったスカーレットが、
パメラの浮気に言及して反論し、
助けてもらったことも思い出す。

そしてスカーレットは、
助けてあげた代わりに、
スカーレットを冤罪で処刑に追いやった
犯人を捜すようにコニーに頼む。

コニーは渋るが、
誠実をモットーとしていることを引き合いに出され、
引き受けることにした。


その後二人は、スカーレットの旧友である、
リリィ・オーラミュンデの話を始めるが、
彼女が自殺したことに、スカーレットは驚く。

リリィの性格をよく知るスカーレットは、
自殺ではなく何か重大なことが起きたと考えた。


コニーはスカーレットの指示の元、
リリィが生前よく活動していた孤児院を訪れる。
孤児院の子供たちに、
当時のリリィの様子について聞くが、
特段変わった事はなかった。

次にコニーは、シスターに変装し、
オーラミュンデ侯爵家の礼拝堂に潜り込む。
スカーレットの指示で礼拝堂の聖画の裏をみると、
そこに変色した封筒を見つけた。

それとほぼ同時に、リリィの夫だった、
ランドルフ・アルスターが来て怪しまれるが、
何とかやり過ごして家に戻り、封筒を開ける。

中には鍵と手紙が入っており、
手紙には、

「エリスの聖杯を破壊しろ」

とだけ書かれていた。

登場人物

コニー(コンスタンス・グレイル)

榛の髪と若草色の瞳を持つ、
地味でパッとしないどこにでもいるような女の子。

十一代目グレイル子爵、
パーシヴァル=エセル・グレイルの娘。

グレイル家のモットーである「誠実」に基づき、
日々行動している。

恋愛結婚ではないものの、
ニールと婚約することには不満を持っていなかった。

嘘が下手で、すぐに動揺するなどわかりやすい性格。

スカーレット・カスティエル

艶やかな黒髪に、紫水晶の瞳、
雪のような白い肌を持っている。
類稀なる美貌を持つ公爵令嬢。

10年前に首を跳ね飛ばされ処刑されたはずだが、
亡霊となってずっと彷徨っていた。

グラン・メリル=アンの広間に入れず、
誰かに声をかけても気づかれずに10年経っていたが、
コニーに気づいてもらえ、広間に入ることができた。

地に足がついておらず、身体は浮いている。
声はコニーにしか聞こえない。

自分を処刑に追いやった真犯人を探すために、
コニーを半ば強制的に協力させている。

我儘で横柄だが、
貴族としての振る舞いや気遣いは一流で、
記憶力や頭が良く、機転が利く性格。

ランドルフのことを天敵と思っている。

ニール・ブロンソン

背が高くてハンサムで紳士的な好青年。
コニーの元婚約者。

父ダミアンは、
三代続くブロンソン商会の代表を務めている。

舞踏会にて、
パメラと浮気をしているところをコニーに見られ、
スカーレットが乗り移ったコニーに、
婚約破棄を言い渡される。

リリィ・オーラミュンデ

癖ひとつないまっすぐなプラチナ・ブロンドに
白く透き通った肌を持ち、
華やかではないが彫刻のように整った顔立ちの女性。

リシュリュワ公爵家のランドルフ・アルスターと
3年前に結婚したが、2年前に服毒自殺している。

世間の噂では、
スカーレットが心を許した唯一の友人とされている。
彼女が亡くなった時、嘆き、
凶行をとめることができなかった己を責めていた。

その罪を代わりに償うのだと、周囲の反対を押し切り、
ずっと慈善事業に尽力していた。

スカーレットからは性悪女と思われている。

ランドルフ・アルスター

見上げるほどの体躯に、
襟足の短い黒髪と紺碧の双眸を持つ男性。

王立憲兵局所属の少佐で、
死神閣下と呼ばれている。

リリィ・オーラミュンデの夫でもあり、
かつてはスカーレットと対立していた。

勘が鋭く、鼻が利く。
コニーの変装にもすぐ気付いた。

今回の調査対象者

  • 調査期間2017/12/25~2018/01/07
  • 性別女性
  • 年齢30~49歳
  • 好きな作品ジャンル悪役令嬢
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